【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

未知なる深海へ 高井 研 =027=

2018-05-03 06:08:02 | 浪漫紀行・漫遊之譜

〇◎ 私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇

= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =

 青春を深海に掛けて=高井研=  

  第二話 JAMSTECへの道・前編   

◇◆ その3  国際ワークショップで撃沈 =2/3= ◆◇ 

生まれて初めて参加する国際ワークショップは、ドキドキしまくりで楽しかった。 勿論、英語の発表はほとんど聞き取れなかったが、ほとんどすべての発表はすでに論文で読んでいたモノだった。4回生で研究室に配属されてから、1日1報以上は論文を読むことをノルマにしていたので、関係する分野の研究はほとんど知っていた。

ボクは留学先の指導教官になるかもしれないジョン・バロス(アメリカ人)と憧れのカール・シュッテッター(ドイツ人)の絡みに注目していた。

ジョン・バロスが特に有名になったきっかけは、彼が1983年にNature誌に「250℃でも増殖できる微生物を発見した」という論文を発表したことだった。この論文は、今で言えば、2010年にScience Express誌に発表されたあの「リンの代わりにヒ素を使える微生物の発見」論文の状況に似ているかもしれない。つまり多くの研究者が「ホントかよー」とか「嘘くせー」とネガティブに受け取ったこと、そして論文発表後、反論が噴出したところが、である。

そして、公の場で、「そんなのアリエネー。ワシは絶対シンジネー、バロスはいかさまだ」と言いまくっていたのがカール・シュッテッターだったのである。

この犬猿の仲の二人が、どう絡むのか興味津々であった。もしかして掴み合いの喧嘩が始まるかもしれないとワクワクしていたが、実際は至って大人な対応を見せる二人だった。しかし、二人は絶対目を合わせることはなかった。後で左子先生に聞いた話では、アメリカ人が固まって話している場では、「あの野蛮人が!」とか結構辛辣なことを言っていたらしい。

当時のボクは、研究者としてはカール・シュッテッターの方が遙かに格上だと思っていた。 確かに「微生物学者」、いや「微生物ハンター」として、カール・シュッテッターを超える微生物学者はいないと今でも思っている。 それぐらいカール・シュッテッターの微生物ハンティングの仕事はすごいのだ。 ボクの微生物ハンティングなんて、カール・シュッテッターの食べ残しをあさっているようなモノでしかない。

しかし今のボクには、ジョン・バロスの凄さが、時間が経てば経つほどにジワジワハッキリクッキリ心に浸みわたってきているのだ。 それは、彼の研究室に留学していた時にも全く分かっていなかったことで、ボクが後年、「地球生物学」とか「宇宙生物学」とか、既存の研究領域の境界を切り開こうと一生懸命もがいて、何となく我が進むべき道のようなモノが見えた!と思ったとき、 既にその場所に、若き情熱溢れたジョン・バロスの足跡がいっぱい残されていたことに初めて気づいた時からだった。

それともう一つ、22歳のチョー生意気なボクが痛烈に感じたことがあった。 それを書くのはすごく憚られるのだけれども、22歳の若者の偽らざる瑞々しい印象として、ボクは感じたんだ。

「JAMSTECの、そして日本の研究者の研究レベル、、、低っ!」と。勿論、当時日本では、そしてJAMSTECでも、極限環境微生物学の始祖の一人と言われる掘越弘毅先生が率いる「深海微生物研究」が始まったばかりであった状況だったので当然と言えば当然かもしれない。

しかし、ボクがワークショップを見聞きした感じでは、掘越弘毅先生や大島泰郎先生といった大物は独特のオーラがあって誇らしく感じたのだが、その他の研究者の発表はボクでも考えつきそうな、 あるいはボクでもできそうな研究の話ばかりだった。超好熱菌の微生物学的な研究に限って言えば、ハッキリとボクの研究の方が上だと思った。

=光の届かぬ海底世界に、」人類が求める宝が眠る=

現役パイロットが語る、海底での仕事とは?(2/2)

深海では非常に高い水圧がかかるため、「しんかい6500」には船体を守るためにさまざまな技術が使われています。まず、コックピット(耐圧殻(たいあつこく))は、軽くて丈夫なチタン合金製です。水圧はあらゆる角度から均一にかかるため、真球度は1.004(直径のどこを測っても0.5ミリ以内の誤差)という精度で製造されています。

また、電気系統の配線は電線の金属部分が水圧で潰れないよう、電線をポリウレタンチューブでカバーをし、その中を油で満たしています。このような構造は均圧構造と呼ばれています。 仮に同じことをゴムなどの耐圧素材で実現しようとすると電線の直径が大きくなり、メンテナンス性の低下や重量の増加など潜航そのものに影響してしまいます。

――2012年3月、建造以来最大となる改造を行ったとありますが、具体的にはどんな点が変わったのでしょうか?

吉梅: 大きな変更点は、船尾の主推進器、モーターなどの動力系に改造を加え、加速や制動のレスポンスを、より向上させました。 また、水平方向の姿勢を制御するためのスラスターを後部にも1台増設し、回頭性能(※船首の向きを変えること)もグレードアップしています。これまで、Uターンしなければ方向転換が行えませんでしたが、船の頭を軸に回転できるようになったことで、狭いスペースでの調査もスムーズになりました。

――機動性を改善させることは、研究調査にどのようなメリットがあるのでしょうか?

吉梅: 海底調査は単純に言ってしまうと「進んで、止まって」の繰り返しです。いま説明した方向転換のためのUターンという動きも、積み重なれば貴重な作業時間のロスにつながります。

 現在、1日の海底調査オペレーションは全行程で8時間ですが、6,500メートルまで潜るのに2時間半、浮上に2時間半かかることを考えれば、海底で作業できる時間は2~3時間が限度です。 限られた調査時間をより有効に使うためには、機動性を高める必要がありました。

・・・・・・・・つづく・・・・・・・

動画 : しんかい6500

 https://youtu.be/hllJvgHvGGQ 

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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